ES2015は、ECMAScript(JavaScriptの標準規格)の2015年版で、JavaScriptに多くの新しい機能を追加しました。これにより、JavaScriptのコードをより効率的かつ簡潔に書くことができます。
以下に、ES2015の基本的な書き方とその具体例を紹介します。
変数宣言
ES2015では、変数を宣言するためにlet
やconst
といった新しいキーワードが導入されました。これにより、変数のスコープや再代入の可否などを明示的に指定できるようになりました。
// ES5
var a = 1;
// ES2015
let b = 2;
const c = 3;
テンプレート文字列
ES2015では、バッククォートを使って文字列の中に変数を埋め込めるようになりました。これにより、文字列の連結やフォーマットがより簡単になりました。
// ES5
var name = "John";
console.log("Hello, " + name + "!");
// ES2015
let name = "John";
console.log(`Hello, ${name}!`);
アロー関数
ES2015では、アロー関数(またはファットアロー関数)が導入されました。アロー関数は、簡潔に関数を定義できるだけでなく、this
の挙動もスコープによって自動的に決定されるため、書きやすくなりました。
// ES5
var double = function(x) {
return x * 2;
};
// ES2015
let double = x => x * 2;
アロー関数のより細かな内容は別記事でも記載していますので、よかったら見てください。
分割代入
ES2015では、オブジェクトや配列から必要な値を取り出して、変数に代入することができるようになりました。これにより、コードの記述量が減り、可読性が向上しました。
// ES5
var person = { name: "John", age: 20 };
var name = person.name;
var age = person.age;
// ES2015
let person = { name: "John", age: 20 };
let { name, age } = person;
オブジェクトの簡易記法
ES2015では、オブジェクトのプロパティを簡潔に定義する方法が追加されました。これにより、オブジェクトの定義が簡単になりました。
// ES5
var x = 1, y = 2;
var obj = { x: x, y: y };
// ES2015
let x = 1, y = 2;
let obj = { x, y };
クラス
ES2015では、クラスが導入されました。これにより、JavaScriptのオブジェクト指向プログラミングがより直感的になり、クラスベースの継承が可能になりました。
// ES5
function Person(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}
Person.prototype.sayHello = function() {
console.log(`Hello, my name is ${this.name} and I'm ${this.age} years old.`);
}
var john = new Person("John", 20);
john.sayHello();
// ES2015
class Person {
constructor(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}
sayHello() {
console.log(`Hello, my name is ${this.name} and I'm ${this.age} years old.`);
}
}
let john = new Person("John", 20);
john.sayHello();
クラスについては別の記事にもまとめていますので、よかったら見てください。
モジュール
ES2015では、モジュールが導入されました。これにより、コードの再利用性や保守性が向上し、大規模なアプリケーションの開発がより簡単になりました。
// ES5
// lib.js
var double = function(x) {
return x * 2;
};
// main.js
var lib = require('./lib');
console.log(lib.double(3));
// ES2015
// lib.js
export function double(x) {
return x * 2;
}
// main.js
import { double } from './lib';
console.log(double(3));
まとめ
以上が、JavaScriptのES2015に対応した基本的な書き方と具体例です。ES2015の導入により、より簡潔で効率的なコードを書くことができますので、ぜひ活用してみてください。